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新しい発見を成し遂げた学者に対し、ただ運が良かったのだと評することがあります。本当にそうなのか真実はわかりません。というのは、見方に対する趣味の問題であるからです。もし、真理というものがお宝のように隠されているもので、それを一個ずつ見つけていけば、いつかは宇宙の真理を全部見つけだして万物が理解される、ということなら、発見者はただ運が良かっただけとの見方が正しいです。しかし、私は、科学の真理は自然と人間の協同作品であろうから、科学は永久に進化して変貌すると想像しているのです。そうすると、発見という行為に対して格別の思いを抱かざるを得ません。
そして、発見する過程においては、運を味方につけるわけですが、しかし、そこには人の心のあり方がとても大きいのでしょう。発見を繰り返すためには、真実に寄り添っているという絶対的な確信を持っていることと、自分をごまかさない公平性をベースに、率直で開き直った態度が必要ではないでしょうか。そして、広大無辺な自然を対象とすることから、千変万化な環境に柔軟・迅速に適応することも求められるはずです。
弊社は、小規模ながらも、自らが根源的な真理探求の中で発見を繰り返すとともに、周囲にも発明を促しつつ、それらを整理して事業化への道をひらくことが好きな人たちの組織です。ガンコでありながらもおうようである、といった矛盾を含んだ複雑な気質の人が研究技術サービス業に向いているのではないでしょうか。今、弊社の役職員並びにご支援・協力者の皆様方は、経歴や風采などは千差万別であるものの、どこか似かよっているのですが、それは、複雑さが各々の一人の人物の中に存在していることだと思います。このような面々へ、温かいご支援の程を何卒宜しくお願い申し上げます。本文章を最後までお読み下さり、誠に有難うございました。
深澤裕